夏のハノイで必ずやることのひとつが「蓮をいける」
ずっと華道のお稽古をしていた私は花をいけることは好きなのである。
四季折々の花をみると、いけたくなる。
やはり、「蓮」はいけたい。
とは言っても本格的な何かをするわけではなく、ホテルの部屋に「ただ蓮をいける」それだけ。
でもこれが毎年いろんなエピソードがあり
思い出のひとつになってくれる。

これは今年いけた蓮。ホテルの方が立派な花瓶を貸してくださった。
今年は花瓶があってよかった!
実は昨年はフロントで頼むと「花瓶はない!」と言われてしまい
「ええっ~、じゃあバケツを貸してください」とお願いしいけたのがこちら。

花瓶じゃなくてバケツなので、蓮の葉でバケツを隠し口が大きいので蓮の軸を又木代わりにし
なんとかいけました。
少しずつ開いてくれ咲いた姿は思わず声を上げてしまうくらいの豪華さ。
お部屋に戻ると、ほのかな蓮の香りが出迎えてくれます。

そして花びらが開ききり落ちると蓮風呂に!
蓮はたくさんの楽しみをくれるのです。

ハノイの街角にはバイクや自転車に山のような蓮を積んだ花売りさんがいます。
市場で蓮を仕入れ、街に売りに出る

そして街に並ぶ商店の入り口には小さな祭壇があり(日本でいうなら神棚のような感じかも)
供えられているのは蓮。
ハノイの人々は日本人が桜が咲くのを楽しみにしているように
6月、蓮が咲くのを心待ちにして祭壇や家庭で蓮を楽しむ。
その地に暮らす人の真似をしハノイっ子気分にひたるため毎年、蓮の紅白の花束を探す私。
もし、どこでもドアがあったならバイクの花束を買い占めて京都や鎌倉で蓮を生けたいなぁ。

(昨年、蓮の花束をもとめ、ホテルの部屋で包みをほどいた時。無造作に置いた花はただただ美しかった。)