この仏陀の言葉を持って、日本を助けてくれた人がいます。
国花が「蓮」の国、スリランカの初代大統領となったジャヤワルダナ氏。
敗戦から年後,1951年(昭和26年)9月、アメリカでサンフランシスコ講和会議が行われました。
日本にとっては国際社会への復帰のための重要な会議でした。
参加国の間には、日本に莫大な賠償金を課し、戦勝国による分割統治すべきだという意見もあり
会議の成り行きしだいでは、戦後復興の足かせになる可能性もありました。
このような状況の中、
日本を独立国にすべきこと
日本への賠償請求権を放棄すること
これを主張してくれたのが現・スリランカ(当時はセイロン)の代表として参加していた
ジャヤワルダナ氏。彼は仏陀の言葉を引用し訴えます。
「憎しみは憎しみによってではなく愛によってのみ止む」
彼のこの言葉をきっかけに日本に対する赦しが起こり
多大な賠償金を請求されることもなく、分割統治されることもなく戦後復興を成し遂げていきます。
当時の吉田茂首相は演説に感激しその夜、ジャヤワルダナ氏の宿舎に自ら出向いて謝意を伝えたといいます。
彼は大の親日家として知られており「右目はスリランカ人に左目は日本人に」という
遺言を残している。実際彼の死後、左目の角膜は長野県の女性に移植された。
また「形あるものは残さないように」との遺言によりスリランカ国内には墓も存在しないが
日本との関係が深かったこともあり国内には彼を顕彰した石碑が残る。
そのひとつが、鎌倉の大仏様「高徳院」に残る。